2009/09/03

大山子798芸術区

数日前より北京に来ています。今回は研究調査で延安に行くのですが、乗り継ぎの関係もあり、実は北京は初めてだったりするので2-3日前乗りしてもろもろ駆け足で見学中です。

工場をリノベーションしたことで有名な大山子798へ。工場やその周辺施設一帯のかなり広いエリアにギャラリーやアトリエが入っているのでまるで学園祭のよう。ギャラリーはバイヤーの買い付けを期待しているため、ほとんどのものが無料で見れるが、ほとんどは通りに面しており入口の障壁が少ないのはよい。銀座などだとなかなかそうはいかないし、よくも悪くも学園祭的である。なんだかなぁというのもあるけど、これがタダ?というような大空間の展示なども少なくない。

UCCAという美術館(洒落たレストランなども併設されていて、こちらもよい)が唯一15RMBの入場料だったが、それはそれで良質な展示が見れた。巨大スクリーンでゲームをすることができるFeng Mengbo『REATART』や巨大展示室に子供の顔の旗が並んでいるYan Pei Ming『LANDSCAPE OF CHILDHOOD』などは圧巻。

『REATART』は約4.5m x 20mほどのスクリーン2面に囲まれた展示室に、横スクロールのゲームの画面(スーパーファミコンレベルのいかにもゲームな感じ)があるのだが、実はこれがプレイできるのだ!とコントローラーを借りて、やらせてもらった。なんだかすごい体験。基本的に、マリオやスト2など何かのゲームが組み替えられており(オリジナルっぽいのもある)そこをどんどん進んで行く。敵はやっつけても無視してもあまり関係なく、谷に落ちたりしてもゲージが減る(画面の主人公下には常に満タンのゲージと「5」と出ている。が、減らない)事なくRESTARTできる。左の壁の画面をクリアすると右の壁へと進み、クリアするといろいろなバリエーションの面が出てくるが終わりがあるのかないのかわからない。いろいろな場面で敵がたくさん出てくるが、RESTARTを無限に続けるとどうでもよくなり、進むことの価値も、死なないために頑張ることの価値も、敵と対峙してどうこうするという価値も薄れてくる。そうしてRESTART(=GAME OVER)自体の価値を再考する、といったことだろうか。

このふたつなどは明らかにこういった大きめの美術館的なスケールを前提としていたのが印象的。他にはピンぼけした人物写真の色をいじってキラキラつけたりして、ダウングレードしているのに、アップグレードして見えるよ!的なYan Lei『SPARKLING (UPGRADED)』など。