2009/09/11

延安の窰洞(ヤオトン)近代化

延安にはたくさんの窰洞があるが、その多くが増改築がなされており、それなりに快適に人々が暮らしていた。山の側面にカオサン式と言い、都市部の周辺の傾斜地は窰洞で埋め尽くされているが、都市部が急激な近代化の過渡期にあり、高層マンション等の建設ラッシュが起きている。その建設ラッシュの労働力をあてに内陸の貧しいところから、労働者が移住してきており、そのような階層の労働者の多くが窰洞に住んでいるということが明らかになってきた。

いくつかの穴をひとつの家族が持っていることが主であるが、そういった穴の一部を労働者などに貸している例が多い。しかしそれらはそれなりに改築されており、伝統的な居住形態が生活とともに継続していると言えなくもない。彼らは建設(雇用契約)が終わると移住することが多いため、そういった転居ごとに内装を新しくしたりしている。そのような社会背景のもと、結果的に労働者の一時居住によって伝統的住居が維持されているという現状は大変興味深い。それでも女房たちが集まって麻雀を楽しんだり(牌が大きい!)サッシがきれいに装飾されていたりと、快適に使用されていた。